1964年、フランスの地方都市オルレアン。大胆で好奇心旺盛なジャン=クリストフ(愛称ティト)、冒険小説が大好きで空想的なピエール=フランソワ(ファフー)、おっとりしたフロランス(シコトン)の3人きょうだいは、父と母の愛に包まれ、穏やかな日々を送っていた。ところがある日、路地で遊んでいたジャン=クリストフに突然てんかんの発作が起こる。両親は息子を連れて病院へと向かったが、そこで医師たちから告げられた言葉にショックを受け―。
三十数年にわたる家族の軌跡と作家自身の心の歩みを描いた、壮大なる作品。ファンタジックな力強い絵で、てんかんを患う兄と家族の軌跡を描く。世界各地で高く評価されたフランスまんがの名匠による自伝的作品。フランス語版全6巻分を完全収録。
■David B(ダビッド・ベー)
(1959年2月9日 - )フランスのバンド・デシネ作家(漫画家)である。 パリの応用美術の学校で広告の勉強をした後、1985年より漫画を描き始め、「オカピ(Okapi)」、 「ア・シュイーヴル(A Suivre)」、「タンタン・ルポルテ(Tintin Reporter)」、「シック(Chic)」[1]など様々な雑誌にイラストレーションを寄稿。1996年から2003年にかけて、てんかんに罹った兄との関わりを描いた自伝的作品『大発作』を発表した。『大発作』はアングレーム国際漫画祭に繰り返しノミネートされており、2002年には第4巻が最優秀シナリオ賞を受賞、第2巻と第6巻がベストコミックブック賞にノミネート、2003年に第6巻がジュネーヴ市国際賞を受賞している。
■関澄かおる(セキズミカオル)
翻訳家・デザイナー。愛知県立芸術大学美術学部卒業。広報職を経て、日仏、仏日双方向の翻訳家として活躍。訳書にジョアン・スファール著『プチバンピ 学校へ行く』、日仏漫画アンソロジー『JAPON』(ともに飛鳥新社)、ダビッド・ベー著『大発作‐てんかんをめぐる家族の物語』(明石書店)、ブノア・ペータース&フランソワ・スクイテン著『闇の国々』(小学館集英社プロダクション)、ジュリー・マロ著『ブルーは熱い色』、ペネロープ・バジュー著『ジョゼフィーヌ』、ペネロープ・バジュー&ブレ著『エロイーズ』(ともにDU BOOKS)などがある。そのほか、谷口ジローや岡崎京子作品(共に仏語版)などのグラフィック・アダプテーションも多数手掛ける。
出版社 : 明石書店 (2007/7/24)
発売日 : 2007/7/24
言語 : 日本語
単行本 : 378ページ
ISBN-10 : 4750325902
ISBN-13 : 9784750325903